Thursday, April 22, 2010

競合商品:インターネットの戦場

今週のポストとしては、先週のフォグバーの話を続けたいと思う。先週フォグバーのマーケティング戦略について触れたが、もう少し具体的にフォグバーのウェブサイトを分析する。さらに、ギャツビーのQUICKMOVINGMISTという競合商品も分析し、フォグバーと比較してみたい。

さて、フォグバーのために資生堂が作ったウェブサイトは傑作だ。 サイトに入るとフォグバーのトリコロールカラーに迎えられ、あか抜けてシンプルなブランドイメージで「頭の中が満たされる」。資生堂は雑然としたインターフェースより、シンプルな使いやすいサイトを作り、これがブランドに合っている。

サイトにはニュースや商品情報やCM情報やコンセプト等の部分があるので、読者としては沢山の情報にアクセスでき、いいと思う。特にフォグバーは他の既存商品と違い、ワックスでも、ヘアスプレーでもないので、顧客に使い方を教えるのは大事なことだ。この目的達成のため、使い方を説明しているビデオや画像も付け、美容師がスリーステップで簡単に説明する部分から科学的なメカニズムまでもある。この説明ビデオは髪の長さや商品の種類によって区分し、分かりやすくした。しかも、主に男性向けの商品なのに、消費者ベースを幅広くするために女性のための使い方の説明もある。このサイトは一言で言うと極めて詳しい。

しかし、その裏側から見ると、たまに載っている情報は若干冗長になってしまう。メインページで原田忠という美容師によって使い方が説明されているが、多様なヘアスタイルを示すのにヘアスタイリストのインタビューの部分で何回も同じような説明が繰り返されており、少し過剰なのではないだろうか。確かにこの高級サロンで働いている美容師は資生堂とフォグバーの上品なイメージを強調しているが、少し浪費的になってしまう。もう少しシンプルに情報を示し、スリム化すればいいかもしれない。

ギャツビーのQUICKMOVINGMISTのサイトは、逆に情報を簡単に示しているがサイトのデザイン自体は派手で、安っぽく見えるので、資生堂とは別の対象をターゲットにしていることが明白だ。特に多角的マーケティング戦略を使わず、資生堂と競争できるようにかなり木村拓也に依存しているようだ。しかし、QUICKMOVINGMISTのサイトから見ると、この新商品は若者を顧客のターゲットにしているので、40歳近い木村拓哉を使うのは若干矛盾するのではないだろうか。 資生堂のトリコロールカラーの代わりに、蛍光色を使い、木村拓哉を使っているが、全体的にギャツビーのサイトに載っている映像や画像等は、資生堂の丹念に考案された戦略にかなわない。ギャツビーのサイトをざっと調べるとQUICKMOVINGMISTが資生堂のフォグバーの競合商品として急いで発売されたことが明らかだ。資生堂と比べ、見てすぐ分かる情報の示し方を工夫しているが、デザインのほうが芳しくない

Tuesday, April 13, 2010

資生堂 FOG BAR

日本の企業と言えば、資生堂を思い浮かべる人が多いのではないだろうか。1872年に創業し、明治時代から日本一の化粧品メーカーになったことにより、日本のマーケティングの最先端の位置を占めるようになった。資生堂のフォグバーという男性整髪料のための新たなマーケティングキャンペーンは私の注意を引いた。フォグバーというのは、要するにスプレーヘアワックスで、ウエブサイトによるとワックスより使いやすいということである。さらに、既存のヘアワックスよりツヤ感、ホールド感、さらにナチュラル感といった特徴が強調されている。

消費者へのアピール
この商品を発売する際に、資生堂は主に若い男性を対象にしていたが、女性の消費者のことも考えていた。男性へ「この商品を使えば、かっこ良くなる」というメッセージを伝えるために、人気がある男性俳優(瑛太、小栗旬、妻夫木聡、三浦春馬))をCM戦略に利用したが、これが女性への効果的なアピールとなったのだ。このキャンペーンによって、ビートルズをコンセプトとした様々なバージョンのCMが登場した。実際のビートルズを使うかわりに、日本人の俳優がビートルズのメンバーに扮し、イギリスという舞台で色々なビートルズの歴史的な行動や衣服や髪型を真似したのだ。資生堂がビートルズのイメージを使った理由は一見しただけでは少し分かりにくいかもしれない。フォグバーが対象とする消費者は主に15歳から30歳までの男性なので、その世代はビートルズを思い出せない。しかし、中高生はあまり自分で買い物をしないので、母親が買ってくれる場合が多いだろう。現在の若者の両親はビートルズ世代である。従ってビートルズを懐かしく感じ、フォグバーを買う可能性が高くなる。フォグバーを買う際、ビートルズを思い出すだけではなく、60年代に外国文化を初めて味わった時の憧れも思い出すようになる。このように、実際に社会における国際化は業界の広告やCM等に反映される。

国際色豊かなイメージ
資生堂は、わざと外国的なイメージを作るように努力したのだと思う。ビートルズのコンセプト以外にももっと国際的、お洒落なイメージを作るために、わざわざイギリスで撮影した。CMにはイギリスの名所が出てくる。例えば、イギリスの有名なふらふらしている帽子を冠ったり、電話ボックスから出てきたり、イギリスっぽい車に乗ったりする。さらに菅井きんという有名な女優はイギリス女王の役である。それに加え、フランスやイギリス等、西欧諸国の旗の色が容器のデザインに使われている。従ってフォグバーを一見すればイギリスが思い浮かび、CMや広告等を思い出すことになる。この商品の最大の特徴は競合商品より値段が高いこととともに、お洒落なイメージを強調していることである。


資生堂が大量のお金をこのプロジェクトに投資したことが明らかになった。新商品開発をする際、一般の消費者を顧客にし、競合他社の市場参入を防ぐことが一番大事となる。早めにブランドイメージを定着させ、顧客との関係を強固にすることが必要だから、資生堂はこのフォグバーにお金をつぎ込んでいるわけだ。フォグバーに対してギャツビーはもうQUICK MOVING MISTという競合商品を発売したが、資生堂が既にフォグバーのイメージを定着させていれば、競合商品を市場から閉め出せるかもしれない。これからもこの競合がどのように発展するかに注意するつもりだ。



Tuesday, April 06, 2010

チラシのデジタル化と国際化

日本で、ブランドイメージを定着させるとともに、海外にも進出できたので、2005年以降、ユニクロは日本の成功した企業の象徴の一つとして挙げられている。このような成功を説明する際に、中国で安く生産した衣服だという理由はよく指摘されるが、低い生産コストよりしばしば鋭いマーケティングのほうが大事だと思われている。

そこで、ユニクロの新しいデジタルチラシをユニクロの典型的なマーケティングの例として位置付けたい。このような広告が面白いという理由は二つある。まず、ユニクロは折り込みチラシの形に広告をデザインし、それに加えインタラクティブな特徴も入れた。商品を見るだけではなく、もし気に入った物があったら、見る人は画像をクリックして、その商品の細部やらもっと詳しい画像を見ることができる。さらにそのまま購入することもできる。このような広告はユニクロの売り上げ戦略に特に合っている。二つ目の面白い点はユニクロは唯一絶対のスタイルより、無数の商品を現代の多様化した消費者に提供し、その幅広い選択肢から何を選ぶかは顧客の自由に任せていることである。デジタルチラシは実際の折り込みチラシのように一斉に沢山の商品を掲載していると同時に、一つ一つの商品の情報も細部にまで渡っている。これにより、ユニクロの商品の数の多さも質の高さも強調できることになる。

広告のデザイン以外の特徴はところどころに英語が使われて、ハーフと白人のモデルも多いことである。これは日本における国際化の一つの印だ。この特徴は、日本に住んでいるのは日本人ではない人のほうが相対的に少ないのに、日本人が多様化した社会に憧れていることを示唆する。実際にユニクロはこのような国際的なイメージをよくテレビCM等に採用しているので、ある程度ユニクロの成功に貢献しているようだ。
 
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