Tuesday, April 13, 2010

資生堂 FOG BAR

日本の企業と言えば、資生堂を思い浮かべる人が多いのではないだろうか。1872年に創業し、明治時代から日本一の化粧品メーカーになったことにより、日本のマーケティングの最先端の位置を占めるようになった。資生堂のフォグバーという男性整髪料のための新たなマーケティングキャンペーンは私の注意を引いた。フォグバーというのは、要するにスプレーヘアワックスで、ウエブサイトによるとワックスより使いやすいということである。さらに、既存のヘアワックスよりツヤ感、ホールド感、さらにナチュラル感といった特徴が強調されている。

消費者へのアピール
この商品を発売する際に、資生堂は主に若い男性を対象にしていたが、女性の消費者のことも考えていた。男性へ「この商品を使えば、かっこ良くなる」というメッセージを伝えるために、人気がある男性俳優(瑛太、小栗旬、妻夫木聡、三浦春馬))をCM戦略に利用したが、これが女性への効果的なアピールとなったのだ。このキャンペーンによって、ビートルズをコンセプトとした様々なバージョンのCMが登場した。実際のビートルズを使うかわりに、日本人の俳優がビートルズのメンバーに扮し、イギリスという舞台で色々なビートルズの歴史的な行動や衣服や髪型を真似したのだ。資生堂がビートルズのイメージを使った理由は一見しただけでは少し分かりにくいかもしれない。フォグバーが対象とする消費者は主に15歳から30歳までの男性なので、その世代はビートルズを思い出せない。しかし、中高生はあまり自分で買い物をしないので、母親が買ってくれる場合が多いだろう。現在の若者の両親はビートルズ世代である。従ってビートルズを懐かしく感じ、フォグバーを買う可能性が高くなる。フォグバーを買う際、ビートルズを思い出すだけではなく、60年代に外国文化を初めて味わった時の憧れも思い出すようになる。このように、実際に社会における国際化は業界の広告やCM等に反映される。

国際色豊かなイメージ
資生堂は、わざと外国的なイメージを作るように努力したのだと思う。ビートルズのコンセプト以外にももっと国際的、お洒落なイメージを作るために、わざわざイギリスで撮影した。CMにはイギリスの名所が出てくる。例えば、イギリスの有名なふらふらしている帽子を冠ったり、電話ボックスから出てきたり、イギリスっぽい車に乗ったりする。さらに菅井きんという有名な女優はイギリス女王の役である。それに加え、フランスやイギリス等、西欧諸国の旗の色が容器のデザインに使われている。従ってフォグバーを一見すればイギリスが思い浮かび、CMや広告等を思い出すことになる。この商品の最大の特徴は競合商品より値段が高いこととともに、お洒落なイメージを強調していることである。


資生堂が大量のお金をこのプロジェクトに投資したことが明らかになった。新商品開発をする際、一般の消費者を顧客にし、競合他社の市場参入を防ぐことが一番大事となる。早めにブランドイメージを定着させ、顧客との関係を強固にすることが必要だから、資生堂はこのフォグバーにお金をつぎ込んでいるわけだ。フォグバーに対してギャツビーはもうQUICK MOVING MISTという競合商品を発売したが、資生堂が既にフォグバーのイメージを定着させていれば、競合商品を市場から閉め出せるかもしれない。これからもこの競合がどのように発展するかに注意するつもりだ。



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